無線局の紹介

無線局の紹介

 鹿児島県漁業無線局は、遠洋カツオ・マグロ漁船を主な所属船として365日24時間体制で運用する漁業用海岸局です。当局は、カツオ漁業の主要基地である枕崎・山川にあった海岸局とマグロ漁業の主要基地であるいちき串木野市にあった海岸局を統合合併、昭和51年に鹿児島市に鹿児島県無線漁業協同組合を設立し、同54年、鹿児島県を免許人とする「漁業指導監督用海岸局」と、同組合を免許人とする「漁業・電気通信業務用海岸局」の二重免許の海岸局として鹿児島県漁業無線局を開局、運用を開始しました。その後、平成25年からは熊本県も免許人となり熊本県の小型漁船や官庁船と通信をしています。また、神奈川県や三重県の遠洋漁船も加わって、現在に至っています。

 

 通信業務は、「漁業通信」・「指導通信」・「電気通信」に大別され、鹿児島県周辺海域から南西諸島にかけて操業する小型漁船や世界中の海域で操業する遠洋カツオ・マグロ漁船と船主間、並びに官公庁船を対象に無線を介して、漁業活動、指導監督、航行安全情報や気象放送など船舶の安全運航に欠かす事の出来ない通信を取り扱うとともに、遭難、緊急時には迅速に対応し人命、財産の保全に努めています。この他、(一社)共同通信社が提供する船舶向け短波ファクシミリ新聞放送(JSC)、(一社)漁業情報サービスセンター(JAFIC)の漁海況情報、気象庁が船舶(JMH)及び航空機(VOLMET)の安全航行を図るための気象情報の放送を行うなど多種多様な通信業務を行っています。

 

 通信施設は、鹿児島市中心部に通信所を構え、遠方の山上520m地点に送信所と受信所を備え、3点方式を採用した固定局を開設して通信所からマイクロ回線及び光回線を介して管制制御を行っています。また、送信所、受信所は無人化施設のため監視カメラによる防犯対策をしています。

 

沿革

昭和3年7月 枕崎漁業無線局開局
昭和28年6月 串木野漁業無線局開局
昭和29年4月 山川漁業無線局開局
昭和48年4月 鹿児島県漁業無線局建設推進委員会設立
昭和51年9月 鹿児島県無線漁業協同組合を設立
昭和54年7月

串木野漁業無線局、枕崎漁業無線局を閉局し、鹿児島県漁業無線局を開局、運用開始
免許人 鹿児島県(漁業指導監督用)
鹿児島県無線漁業協同組合(漁業・電気通信業務用)

平成7年10月 県本土全域の沿岸小型漁船対象の27MHzDSB1W漁業用海岸局開設
平成11年3月 GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)
監視制御通信システム導入
平成14年8月 WMO(世界気象機関)方式短波帯FAX放送運用開始
平成15年3月 7.5GHz多重無線回線システムを導入
平成19年4月

共同通信社船舶向け短波FAX新聞放送運用開始
免許人 (一社)共同通信社

平成21年3月

気象無線模写通報及び東京ボルメット無線電話通報の通信サービス運用開始
免許人 気象庁

平成25年4月

無線通信設備の全面更新工事

平成25年4月

熊本県指導通信及び熊本県無線漁業協同組合通信業務の一部運用開始
免許人 熊本県

平成26年4月 (一社)漁業情報サービスセンター無線FAX放送開始